よくある質問

脳卒中について

  • 脳卒中ってどんな病気ですか?

    脳卒中は、脳の血管が詰まる(脳梗塞)か破れる(脳出血・くも膜下出血)ことで、脳の一部が障害を受ける病気です。突然発症し、命に関わることもあり、麻痺や言語障害などの後遺症を残すことがあります。

  • 脳卒中はなぜ起こるのですか?

    主な原因は高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動などの生活習慣病です。これらが血管に負担をかけ、動脈硬化や血栓を引き起こします。喫煙、過度の飲酒、運動不足もリスクを高めます。

  • 脳卒中にはどんな種類がありますか?

    主に3種類あります。

    • 脳梗塞:血管が詰まり、脳に血液が届かなくなる。
    • 脳出血:血管が破れて脳内に出血。
    • くも膜下出血:脳動脈瘤が破裂し、くも膜下腔に出血。

    それぞれ症状や治療法が異なります。

  • 脳卒中のサインにはどんなものがありますか?

    顔のゆがみ、片腕の麻痺、言葉が出ない、激しい頭痛などが突然現れます。
    「FAST」の合言葉で覚えましょう。

    • Face(顔のゆがみ)
    • Arm(腕の麻痺)
    • Speech(言葉の障害)
    • Time(すぐに救急車を!)
  • 脳卒中の後遺症にはどんなものがありますか?

    片麻痺、言語障害、嚥下障害、高次脳機能障害(記憶・注意・遂行機能の低下)などがあり、日常生活や社会復帰に影響します。リハビリと多職種支援が重要です。

  • 脳卒中を予防するにはどうすればいいですか?

    血圧管理、食事改善、運動習慣、禁煙・節酒、ストレス管理が大切です。定期的な健康診断や脳ドックも予防に役立ちます。

脳卒中の検査と治療について

  • 脳卒中の検査はどんなものがありますか?

    頭部CTやMRIで脳の状態を確認します。さらに、頸動脈エコーや心電図などで血管や心臓の異常を調べます。

  • 脳卒中の症状が出たらどうすればいいですか?

    すぐに救急車を呼び、医療機関へ搬送してください。発症からの時間が治療の可否に直結します。

  • 脳梗塞の治療にはどんな方法がありますか?

    発症早期にはt-PA療法や血管内治療が行われます。慢性期には抗血小板薬やリハビリが中心です。

  • 脳出血やくも膜下出血の治療はどう違いますか?

    脳出血は血圧管理と脳圧コントロールが中心で、場合によっては手術が必要です。くも膜下出血は動脈瘤を閉じる治療(クリッピングやコイル塞栓)が行われます。

  • 治療後に気をつけることはありますか?

    血圧・血糖の管理、服薬の継続、リハビリの継続が重要です。再発予防と生活支援が回復の鍵です。

  • 再発を防ぐにはどうすればいいですか?

    生活習慣の改善、服薬管理、定期検診が基本です。医療者と連携しながら、無理なく続けることが大切です。

脳卒中のリハビリテーションについて

  • 体調不良の場合、受診をする目安はありますか?

    脳卒中においてはFAST(Face:顔のゆがみ/Arm:片腕の脱力・しびれ/Speech:ろれつが回らない・言葉が出ない/Time:発症時刻の確認)が重要であると言われます。これらの症状が突然出た場合は、すぐに医療機関へ連絡してください。日常の体調不良については、主治医が示す受診条件に従ってください。

    参考:日本脳卒中学会・日本脳卒中協会.脳卒中の予防・発症時の対応.2021–2022年版. https://www.jsts.gr.jp/common/asset/pdf/onset.pdf

  • 装具が合わない、足が引っかかるなどの症状がでました。何が必要ですか?

    装具の調整が必要かもしれません。担当の理学療法士に早めに相談し、装具を含め靴や足部の状態、歩行環境を含めて確認してもらいましょう。

  • 再発予防をしていくために必要なことはありますか?

    日本脳卒中協会が示す脳卒中予防十ヶ条が参考になります。
    運動の観点ではウォーキングなどの「楽である〜少しきつい」と思うような運動を週150分以上実施することが推奨されています。また、座っている時間が長い場合は30分〜60分ごとに立ち上がるなどの工夫も重要です。運動機能に個人差がありますので、負荷の調整方法は担当の療法士にも相談してください。

    参考:日本脳卒中協会.脳卒中予防十か条2025. https://www.jsa-web.org/citizen/85.html World Health Organization. WHO Guidelines on Physical Activity and Sedentary Behaviour. 2020.

  • 患者会やサポートグループはありますか?

心臓病について

  • 胸が痛いときは、すぐに病院へ行くべきですか?

    強い胸の痛み」「5分以上続く」「冷や汗・吐き気・息苦しさを伴う」場合は、迷わず119番通報してください。一方、短時間で治まる痛みでも、繰り返す場合は狭心症の可能性があるため、早めに循環器外来で相談しましょう。

  • 動悸や脈が速い・乱れることがありますが、大丈夫ですか?

    不整脈の可能性があります。特に 心房細動 は、脳梗塞のリスクを高めます。一時的な症状でも、心電図や24時間心電図(ホルター)検査が必要なことがあります。

  • BNPが高いと言われました。心不全でしょうか?

    BNP(またはNT-proBNP)は、心臓の負担やストレスを示す値ですが、値が高い=心不全と決まるわけではありません。心エコーなどの検査結果と症状を合わせて総合的に判断します。

  • 心臓病は運動してはいけませんか?

    いいえ、多くの場合、適切な運動はむしろ心臓病の改善に役立ちます。ただし、病状によって「安全な範囲」が異なるため、心臓リハビリで専門スタッフとともに運動方法を確認することが大切です。

  • 心臓病は治らないのでしょうか?

    病気の種類や進行度により異なります。狭心症・弁膜症・不整脈などの多くは、薬・カテーテル治療・手術などで改善が期待できます。心不全は「悪化を防ぐこと」が重要で、薬物療法・生活改善・心臓リハビリにより症状を安定させ、長く生活していくことが可能です。

心臓病の検査と治療について

  • 心臓カテーテル検査は痛いですか?

    局所麻酔をして行うため、大きな痛みはほとんどありません。検査中は会話できる程度の意識があります。検査時間は30分〜1時間程度が目安です。

  • カテーテル治療(ステント治療)を受けたあとは、生活は変わりますか?

    傷口が落ち着けば日常生活に戻れますが、ステントの再狭窄予防のために、薬を必ず継続する必要があります。また、禁煙・血圧・血糖・コレステロール管理が特に重要です。

  • 弁膜症でカテーテル治療(TAVIやTEER)ができるかはどう決まりますか?

    年齢、全身状態、弁の状態(狭窄か逆流か)、併存症などを総合的に評価します。検査入院での精査のうえ、心臓チーム(循環器内科・心臓血管外科・麻酔科など)が相談して治療法を決めます。

  • 心房細動と言われましたが、薬だけで様子を見てもよいのでしょうか?

    薬でコントロールする場合もありますが、心不全の重症度や症状の程度、発症してからの時間経過などによってカテーテルアブレーションを検討することがあります。また、脳梗塞予防のための抗凝固薬は、症状がなくても重要です。

  • 心不全の治療で、なぜ体重を毎日測る必要があるのですか?

    心不全は、悪化すると体に水分が溜まり、体重が増加します。2〜3日で2kg以上の急な体重増加は、悪化の警告サインです。早期に受診することで入院を防げることがあります。

心臓病のリハビリテーションについて

  • 心リハを受けるためにはどうすればいいですか?

    まず、かかりつけの循環器内科医師に相談してください。心リハは医師の指示が必要な医療行為です。医師が患者さんの状態を診察し、適応があると判断されれば、心リハ実施施設を紹介してもらえます。県内の大学病院や専門病院で実施されています。心リハ実施施設をご確認ください。

  • 体調不良の場合、受診をする目安はありますか?

    以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください:

    • 胸痛・胸部不快感が続く場合
    • 息切れが安静時にも起こる場合
    • 動悸が激しく続く場合
    • めまい・失神を起こした場合
    • 足のむくみや顔のむくみが急に悪化した場合
    • 体重が短期間(1週間で2〜3kg程度)で急激に増加した場合
  • 心臓リハビリテーションのサポートする組織はありますか?

    心臓リハビリテーションのサポート組織として全国的にはジャパンハートクラブが有名ですが、島根県にはジャパンハートクラブの支部組織は2025年10月現在ありません。ジャパンハートクラブの関連組織として全国どこからでもオンラインで新リハを受けることができる、Tele-MedEx Clubというものがあります。

  • 患者会やサポートグループはありますか?

    島根県内には患者会として「全国心臓病の子どもを守る会島根県支部」があります。県内単独の「ともの会」を表する団体ではありませんが、全国的な団体として「心臓病者友の会(心友会)」、「ICD友の会」があります。

  • 医療費の補助などは何がありますか?

    以下のような制度があります:

    • 高額療養費制度:月々の医療費負担に上限を設ける制度
    • 身体障害者手帳:心疾患の程度により取得可能な場合があります
    • 自立支援医療:継続的な医療が必要な場合の医療費軽減
    • 労災保険:労働が原因の場合
    • 各自治体の医療費助成:地域により独自の補助制度

    詳しくは、医療ソーシャルワーカーや市区町村の福祉課にご相談ください。

    心リハは、患者さんが主体となって取り組む治療です。医療チーム、ご家族、そして地域の皆さんと一緒に、より良い生活を目指していきましょう。

栄養・食事について

  • 減塩はなぜそんなに重要なのですか?

    塩分の摂りすぎは血圧を上げ、脳卒中や心臓病のリスクを高めます。減塩は血管を守る第一歩です。

  • どんな脂質なら摂ってもいいの?

    青魚やオリーブ油などに含まれる不飽和脂肪酸は血管に良い影響を与えます。飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は控えましょう。

  • 食事で気をつけるべき飲み物はありますか?

    甘い清涼飲料水やアルコールの過剰摂取は血圧や血糖に悪影響を与えるため注意が必要です。水やお茶を中心にしましょう。

  • 外食が多いのですが、どう工夫すればいいですか?

    小鉢や定食を選び、汁物は残す、ソースは別添えにするなどの工夫で減塩・低脂肪を意識できます。

  • 毎日続けるのが難しいです。どうすれば?

    完璧を目指さず、7割意識でOKです。家族と一緒に取り組む、冷凍野菜や減塩調味料を活用するなど、無理なく続ける工夫が大切です。

  • 脳卒中や心臓病の再発を防ぐ食事はありますか?

    野菜・果物・青魚・大豆製品を中心に、塩分・脂質を控えた食事が再発予防に効果的です。食物繊維も積極的に摂りましょう。

生活の注意点について

  • どんな運動が脳卒中や心臓病の予防に効果的ですか?

    ウォーキングや軽い筋トレ、ストレッチなどの有酸素運動が効果的です。週150分を目安に、無理なく続けましょう。

  • 禁煙すると本当に効果がありますか?

    はい。禁煙は血管の炎症を抑え、脳卒中・心臓病のリスクを大幅に下げます。数日で血圧が改善する例もあります。

  • ストレスが病気に関係するのはなぜですか?

    ストレスは交感神経を刺激し、血圧上昇や不整脈を引き起こすことがあります。心身の緊張をほぐす習慣が予防につながります。

  • 血圧はいつ測るのがいいですか?

    朝起きてすぐと、夜寝る前の2回が推奨されます。座って安静にした状態で測定し、記録をつけましょう。

  • 薬は症状がなくても飲み続けるべきですか?

    はい。脳卒中や心臓病の再発予防には、継続的な服薬が不可欠です。勝手に中止せず、医師の指示を守りましょう。

  • 健診はどれくらいの頻度で受けるべきですか?

    年1回の特定健診が基本です。高血圧や心房細動などの既往がある方は、医師と相談して頻度を調整しましょう。

薬剤について

  • 症状がないのに薬を飲み続ける必要がありますか?

    はい。脳卒中や心臓病の再発予防には、症状がなくても薬の継続が重要です。

  • 飲み忘れを防ぐにはどうすればいいですか?

    服薬カレンダーやスマホのアラーム、一包化などの工夫が効果的です。薬剤師に相談するのもおすすめです。

  • 血液をさらさらにする薬は危険ですか?

    出血リスクはありますが、医師の管理下で使えば安全です。定期的な検査と服薬継続が大切です。

  • 薬の副作用が心配です。どうすれば?

    副作用が疑われる場合は、自己判断で中止せず、必ず医師に相談してください。薬の変更や調整が可能です。

  • 定期受診はどれくらいの頻度で必要ですか?

    病状や薬の種類によりますが、一般的には1~3か月に1回の受診が推奨されます。検査結果に応じて薬の見直しも行われます。

  • 心臓病の薬は一生飲み続けるのですか?

    病状によりますが、慢性疾患の場合は長期服薬が基本です。医師と相談しながら、必要に応じて調整されます。

就労・介護について

  • 病気のあとでも働けますか?

    はい。体調や後遺症に応じて、働き方を調整すれば可能です。支援制度や職場の理解を得ることが大切です。

  • 障害者手帳はどうすれば取得できますか?

    主治医の診断書をもとに、市町村の窓口で申請します。取得により就労支援や福祉サービスが受けられます。

  • 職場復帰はどのように進めればいいですか?

    医師と相談し、職場と段階的に調整します。短時間勤務や業務内容の変更など、無理のない復帰が望まれます。

  • 介護が必要になったら、どこに相談すればいいですか?

    地域包括支援センターが窓口になります。介護保険の申請やサービスの調整をサポートしてくれます。

  • 家族の介護負担が心配です。支援はありますか?

    レスパイトケアや介護休業制度、福祉用具の助成などがあります。ケアマネジャーと相談し、無理のない介護体制を整えましょう。

  • 心臓病でも就労支援は受けられますか?

    はい。心不全や不整脈などの病状に応じた配慮が必要ですが、障害者雇用制度や職業センターの支援が活用できます。

働き方について

  • 脳卒中で入院したけれど、仕事は諦めて治療に専念した方がいいですか。

    すぐに仕事を辞めずに、まずは医療スタッフ(主治医・看護師・療法士医療相談員)や、さんぽセンター(会社と従業員をサポートする機関)に相談してください。職場に連絡し、休暇や休職について手続きを進めましょう。

  • リハビリを頑張っているけど、同じ職場に戻れるか不安です。

    復職について少しずつ職場と話し合いを進めましょう。職場でどのように配慮してもらって働くかについては、医療スタッフ(主治医・看護師・療法士医療相談員)や、さんぽセンター(会社と従業員をサポートする機関)に相談してください。同じ職場に戻ることが難しい場合にはハローワークに相談します。

  • 仕事に復帰したけれど、通院やリハビリで職場に迷惑をかけています。精神的にもつらくなってきました。

    今の困りごとについて医療スタッフ(主治医・看護師・療法士医療相談員)や、さんぽセンター(会社と従業員をサポートする機関)に相談しましょう。さんぽセンター(会社と従業員をサポートする機関)は職場とのコミュニケーションを中立の立場でサポートしてくれます。もしそれでも、同じ職場に戻ることが難しい場合は、ハローワークに相談してみましょう。退職や労働条件の変更を強いられた場合には、総合労働相談コーナーに相談することができます。

相談先・支援機関について

  • さんぽセンターについて教えてください。

    さんぽセンターは会社と従業員をサポートする機関です。保健師がお話をお伺いします。
    職場との連絡方法についてもアドバイスをしてくれます。
    ※島根県内全域に対応しています。
    電話番号:0852-59-5801(受付時間:平日 8:30-17:15)

  • 島根労働局総合労働相談コーナーについて教えてください。

    島根労働局総合労働相談コーナーとは、労働問題の相談対応機関です。
    電話番号:0852-20-7009(受付時間:平日 8:30-17:30)