薬剤について
脳卒中・心臓病の予防と管理
なぜ薬を続けることが重要なのか
脳卒中や心臓病は、再発リスクが高い病気です。症状がなくても、血圧・血糖・脂質などの異常は進行していることがあります。薬は病気の進行や再発を防ぐための「予防の柱」であり、継続して服用することで効果を発揮します。自己判断で中止すると、再発や重症化のリスクが高まります。
脳卒中・心臓病でよく使われる主な薬
- 降圧薬:血圧を下げ、脳出血や心不全を予防。
- 抗血小板薬・抗凝固薬:血液を固まりにくくし、血栓による脳梗塞や心筋梗塞を防ぐ。
- 脂質異常症治療薬(スタチンなど):コレステロールを下げ、動脈硬化を予防。
- 利尿薬・β遮断薬・ACE阻害薬:心不全や不整脈の管理に使用。
血圧を下げる薬について
高血圧は脳卒中・心臓病の最大の危険因子です。降圧薬には以下の種類があります。
- カルシウム拮抗薬:血管を広げて血圧を下げる。
- ACE阻害薬・ARB:血管収縮を抑え、心臓や腎臓を守る。
- 利尿薬:余分な水分を排出し、血圧を下げる。
- Β遮断薬:心拍数を抑え、心臓の負担を軽減。
これらは患者の状態に応じて組み合わせて使われます。
血液をさらさらにする薬について
血栓による脳梗塞や心筋梗塞を防ぐために、以下の薬が使われます。
- 抗血小板薬:アスピリン、クロピドグレルなど。血小板の働きを抑え、血栓形成を防ぐ。
- 抗凝固薬:ワルファリン、新規経口抗凝固薬(DOAC)など。心房細動など心原性脳塞栓症に有効。
これらの薬は出血リスクもあるため、定期的な検査と医師の管理が必要です。
コレステロールを下げる薬について
動脈硬化の進行を防ぐために、以下の薬が使われます。
- スタチン系薬剤:LDLコレステロールを下げ、血管を安定化。
- エゼチミブ:腸でのコレステロール吸収を抑制。
- PCSK9阻害薬:注射薬で強力にLDLを低下させる。
脂質異常症は自覚症状がないため、薬による管理が重要です。
薬の副作用と注意点
薬には副作用がある場合もあります。
代表的なものは
- 降圧薬:めまい、立ちくらみ
- 抗血小板薬・抗凝固薬:出血傾向(鼻血、皮下出血など)
- スタチン:筋肉痛、肝機能異常
副作用が疑われる場合は、自己判断で中止せず、必ず医師に相談しましょう。
飲み忘れを防ぐ工夫
脳卒中は再発率が高いため、以下の対策が不可欠です。
服薬カレンダーや一包化
飲むタイミングを明確に。
家族と共有する
声かけや確認で習慣化。
薬剤師との相談
剤型変更や飲みやすさの工夫も可能。
スマートフォンのアラームや服薬アプリ
自時間を知らせる。
自己判断でやめる危険性・定期受診と薬の見直し
症状がないからといって薬をやめると、再発リスクが高まります。特に脳卒中や心臓病は「沈黙の病気」であり、予防薬の継続が不可欠です。定期的な受診で血液検査や副作用の確認を行い、薬の見直しや調整を医師と相談しましょう。
薬剤に関するよくある質問
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症状がないのに薬を飲み続ける必要がありますか?
はい。脳卒中や心臓病の再発予防には、症状がなくても薬の継続が重要です。
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飲み忘れを防ぐにはどうすればいいですか?
服薬カレンダーやスマホのアラーム、一包化などの工夫が効果的です。薬剤師に相談するのもおすすめです。
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血液をさらさらにする薬は危険ですか?
出血リスクはありますが、医師の管理下で使えば安全です。定期的な検査と服薬継続が大切です。