脳卒中とは
脳卒中について
脳卒中ってどんな病気?
脳卒中は、脳の血管が詰まる(脳梗塞)または破れる(脳出血・くも膜下出血)ことで、脳の一部に血液が届かなくなり、脳細胞が障害を受ける病気です。突然発症し、命に関わることもあるほか、麻痺や言語障害などの後遺症を残すことがあります。日本では要介護の主な原因の一つであり、早期発見と予防が重要です。
なぜ起こる?脳卒中の原因
脳卒中は大きく以下の3種類に分けられます。
- 脳梗塞:脳の血管が詰まり、血流が途絶える。全体の約7割を占め、比較的多い。
- 脳出血:高血圧などで血管が破れ、脳内に出血が起こる。突然の激しい症状が特徴。
- くも膜下出血:脳動脈瘤が破裂し、くも膜下腔に出血。激しい頭痛と意識障害を伴うことが多い。
発症した時に現れるサイン
脳卒中のサインは突然現れます。代表的な症状は以下の通りです。
顔の片側がゆがむ(口角が下がる)
片腕や片脚に力が入らない、しびれる
ろれつが回らない、言葉が出ない
視野が欠ける、物が二重に見える
激しい頭痛、意識障害
これらの症状は「FAST」という合言葉で覚えられます。
- Face(顔のゆがみ)
- Arm(腕の麻痺)
- Speech(言語障害)
- Time(すぐに救急車を!)
後遺症や生活への影響について
脳卒中の後遺症は、障害を受けた脳の部位によって異なります。主な影響には以下が含まれます。
- 運動障害:片麻痺、歩行困難
- 言語障害:失語症、構音障害
- 嚥下障害:食事中のむせ、誤嚥
- 高次脳機能障害:記憶障害、注意障害、失行、半側空間無視
これらは日常生活や社会復帰に大きな影響を与えるため、リハビリテーションと多職種支援が重要です。
予防のために大切なこと
脳卒中は予防可能な病気です。以下の生活習慣の見直しが効果的です。
血圧管理
塩分を控え、定期的に測定。
食事改善
野菜・果物中心、脂質・糖分を控える。
運動習慣
毎日30分程度の有酸素運動。
禁煙・節酒
血管への負担を減らす。
ストレス管理
睡眠と休養を確保。
定期検診
脳ドックや健康診断で早期発見。
早く気づいて、早く治療へ
脳卒中は「時間との勝負」です。特に脳梗塞では、発症から4.5時間以内に治療を開始できれば、血栓を溶かす薬(t-PA)や血管内治療が可能です。症状が一時的に消えても油断せず、すぐに医療機関を受診することが命と生活の質を守る鍵です。
脳卒中に関するよくある質問
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脳卒中ってどんな病気ですか?
脳卒中は、脳の血管が詰まる(脳梗塞)か破れる(脳出血・くも膜下出血)ことで、脳の一部が障害を受ける病気です。突然発症し、命に関わることもあり、麻痺や言語障害などの後遺症を残すことがあります。
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脳卒中はなぜ起こるのですか?
主な原因は高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動などの生活習慣病です。これらが血管に負担をかけ、動脈硬化や血栓を引き起こします。喫煙、過度の飲酒、運動不足もリスクを高めます。
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脳卒中にはどんな種類がありますか?
主に3種類あります。
- 脳梗塞:血管が詰まり、脳に血液が届かなくなる。
- 脳出血:血管が破れて脳内に出血。
- くも膜下出血:脳動脈瘤が破裂し、くも膜下腔に出血。
それぞれ症状や治療法が異なります。